​森の素形

北海道建築士事務所協会「きらりと光る北の建築賞」受賞作品

日本建築家協会北海道支部「建築大賞2019審査委員賞」受賞作品

HBC今日ドキッ!生中継

Replan123「北の建築家」掲載

雑木林が成長して森になろうとしていたこの土地を切り開き,その記憶をとどめるべく

森の原型とも言える状態を作り出した.

小さなヴォリュームを敷地に沿って断続的に配し,外部空間も内包しながら,可能な限り土地の持つポテンシャルを引き出すことを意図した.

居する領域を大木の幹が連なったような矩形平面で切取り,その中へ木々を抽象化した家具を長手に挿入した.

それら家具の樹木を縫うように「場」が散りばめられ,さらには3つの外的中間領域から光が様々に射し込むなど,平面と断面が複雑に交錯することにより,この住宅は「森の素形」たる様相を呈する.

また,身体に訴えかけてくるようなスケールや外部との連続性を強調することで,あたかも外の森の延長のような空間を展開している.

さらに天井には鈍い反射性を付帯させることで空に近い環境を与え,外の景色も呼び寄せ四季色に空間を染め上げている.

また,その空の下には枝葉を抽象化した板材を浮かせることで木陰のような佇む場を生み出している.

小さいながらどこまでも終わりがないような,そんな住宅である.