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GLAlog-033/GLAとジェニュインな大晦日

最終更新: 1月18日

GLAな皆様、本年最後の執筆になります。

約束は破りません!書きます!

ただ、ギリギリになってしまいました。


本日大晦日、ただいま人生40周年記念で「精神と時の部屋」に入っております。


本年もあっという間に終わってしまいます。

そして、お年賀に追われる毎日でございました。年々素敵な方々に出会わせて頂き、その枚数はうなぎのぼりです( ;∀;)


とは言いながら今年は未曽有な状況でありましたので、どこに行くわけでもありませんでしたね。ほんとに、どこも行かなかった・・・

ジムに入会するもほぼ一年無駄な会費を払い続けましたね。

もう、さすがに一旦止めようと。


しかし、まあ、現在ほぼ皆さんがスマホを持つ時代、年賀状という文化自体がナンセンスであるという方も多いのでは。

ただ、年賀状を送り続けることというのは、自分にとってのアナログな儀式に他なりません。

小学校2年生にもらった、美術の先生からの獅子舞の木版画。

あの時の感動は忘れません。

やはり、感動なんです。

生きている実感とは。

心に触れること、このアナログ感はとっても大切なのです。


どれだけ文明が進歩したって僕らは所詮、生き物なのです。

版画に関して言えば、高校生くらいから本格的に挑戦し始めて12年間途絶えることなく刷っておりました。

なんとなく、干支が一周したのでもう、勘弁してください・・・と神様にお願いして路線を変更。

今の建築写真へと移行したのでした。

その年の仕事の一番気に入った写真を載せさせていただき、メッセージを添える。

それが今の定番となっております。

この年賀の形も丁度12年経ったんですね〜。

版画12作、建築12作お持ちの方はレアですね笑


時間さえあれば、また彫りたいなと気持ちは動いております。

絵も描きたい。

書もやりたい。

茶道はどうにか次のステップに進めました。何度挫けそうになったか。

足の痺れに膝の痛み、よくわからない筋も痛くするし、覚えも悪い。。。


にしてもですよ、創作意欲が建築以外にも向かうとはなんと心が健康的なことか(笑)。


そんな、楽を覚えてしまった年賀状製作現場でした。あはは。

さて、GLAな皆様のおかげで、今年はまた充実した一年を過ごさせていただきましたが、一年間伴走していただいたスタッフのナイクさんにも、年末のGLAろぐを飾っていただこうかなと思っております。

では、ナイクさん、ここからご参加いただけますか?

ゲント:

まずは今年一年を振り返って、GLAな仕事はいかがでしたか?

幸い今年は仕事にも恵まれたので、意匠的にも特徴のある「深澤青果南郷店・手稲店」や「蘇芳の器」も完成しましたし、「銀斜壁の境界」ももうすぐ完成ですね。さらに来年は多くのプロジェクトが着工、完成を控えており、その契約への道のりも随分とサポートしていただきました。

ナイク:

コロナに翻弄された一年ではありましたが、本当にありがたいことに案件に恵まれ、結構忙しく過ごすことができました。やはり完成した時はほんとにうれしく、達成感がありますね。特に先日竣工した「蘇芳の器」は、時間によっても違う表情を見せてくれました。ほんとに綺麗で、感動しましたね。また、色々あーでもない、こーでもないと案を検討したりという過程がとても楽しかったです。

ゲント:

今年は特に公私を通して印象的な出来事はありましたか?

建築的なお話をしていただきたいところですが、愛するコンサドーレに関してでも結構です(笑)。

ナイク:毎年、建築を見に色々旅行したりしていたのですが、今年はそれができなかったのが残念でしたね。公私とも充実していた一年でした。今年は仕事もですが、私生活でも友達が増えたりと楽しく過ごしました。何気ない日常が一番幸せですね。コンサドーレは、あまり順位はよくなかったですが、今まで勝てなかった強豪チームに勝てたりと『新しい景色』が見れた一年でしたね。諦めず挑戦し続ければいつか目標は達成できるってことを体現してくれました。応援している身としては、嬉しいですね。何年か前のコンサドーレを知ってる方なら、コンサドーレは『弱いチーム』って印象かと思います。J1へ昇格しても最速降格記録を作ってしまったりしていましたが、J1残留を決めて翌年、浦和や広島を率いたミシャ監督を招聘しました。今まで守備重視だった戦術から、超攻撃的なサッカーへと変貌をとげました。札幌の下部組織から育った生え抜きの若手を積極的に採用し、今年も大卒の若い選手をスタメンで使い続けました。人を育てるってほんと難しいことです。でも経験を積ませることで、若い選手は特に吸収が早く著しい成長を遂げてくれたりもします。でも若いが故、失点してしまったらズルズル引きずってしまったりもありますし、いい試合しながら勝てなかった試合も今年は多かったです。でも、お金にあまり余裕がないチームは有望な若手を成長させながら強くしていくしかありません。来年は今年の若手選手がさらに飛躍して、上位に食い込んでほしいですね。

サッカーの話ばかりしてしまいましたが、コンサドーレが、試合で使用する『札幌ドーム』。原広司さんの設計です。原広司さんは、大阪の『梅田スカイビル』の設計者でもあります。札幌ドームの特徴的な展望台部分、試合の日は少し割引がきくので、ぜひ上ってみてください。結構高いので、高い所に苦手な方は怖いかもしれないですが。

少し写真撮ってきてあるのでぜひ比較してみてください。


【札幌ドーム展望台】

このキャットウォーク痺れますね♪GLA好みです。


【梅田スカイビル】

あの上部のエスカレーターですよね。

なかなか冷静に考えるとすごいこと考えますよね。

上からの見下げですね。

ほんとに高い。。。道路が遠いですね。


夜景も素敵ですね!


私の印象的な建築とサッカーに関しては以上なんですが、ゲントさんはどんな一年でしたか?

ゲント:

原広司氏について語りたいとこだけど、ブログまとまらないから、またにしますか。

けどやはり好きなのは京都駅かな。今考えるとあの時代によくなし得たなという印象ですね。今だとあのようなスタイルは一般の方もすんなり受け入れるんだろうけど。原氏のは、住宅などの小さな作品も興味ありますね。やはり、普通ではない笑


にしても、さすがコンサ愛半端ないね!

同じ宮の沢なのでいつか後援できるようにしっかり稼ぎたいところですね笑!!

リポビタンDのコンサバージョンのビン集めてたみたいだけど流石に片付けました?

家こんな感じなんじゃないですか?


引用元コンサドーレFacebook


僕自身は、そうですね、北海道科学大学の非常勤講師としてお声がけいただき、学生の基本製図を教えるということが新鮮でしたね。しかもリモートで。自宅から学生の課題をあーでもないこーでもないと。できるだけ実務に絡めるように教えましたね。ただの線の引き方から始まり間取りを写すことだけを淡々と教えるのも面白くないので、今やっていることが実際、実務に置き換えるとどういうところに役立つか、ということを知れるとリアルに面白いのではないかなと思って、いろんな図面をお見せしたりしていました。本当はもっと建築の面白さについて熱弁したいんですけど、そういう授業でもないので、セーブしながらって形でしたね(笑)


声しか聞こえない授業形態だったので、自分の受け持った学生たちの顔を見るのも、最後の実技試験の時だけでした。その日は少し感慨深かったです。次年度も引き続き受け持つのでさらに面白い授業にしてゆきたいですね。もともと家庭教師をずっとやっていたのもあるし、教えるのは好きなんですよね。小学生から高校生まで教えていたので、大学生というその延長を楽しませていただきました。

その他には先日、建築家の齊藤裕氏の講演を聞いたことも興味深かったです。

この方です。

なかなかに強面ですが、講演会に限っては優しい雰囲気でありました。

引用元 ぜひホームページもご覧ください。

https://www.ysaito-archi.co.jp/profile.php


澪工房さんでの家具についての講演、翌日の建築家に向けた講演、どちらもお声がけいただいたので参加の運びになったわけです。齊藤裕氏は小樽生まれで、道内の実作は少ないかと思いますが、その建築密度においては恐れ多い建築家の一人です。前回の講演会も入れると最近で3回も接近させていただきました。前回は近年出版された「日本建築の形Ⅰ・Ⅱ」に関する解説でした。

齊藤氏の作る建築には遠く及びませんがGLAとしてもマテリアル派を公言している以上、齊藤氏の話を聞かないわけにはいかないのです。


氏は建築家の写真集も出版してまして、ルイス・バラガンやアルヴァ・アアルト、ルイス・カーン、カルロ・スカルパといった著名な建築家の写真集やこだわり抜いた自身の作品集、構造系建築家のフェリックス・キャンデラなどの写真集にも及んでおります。学生時代から高額なそのバラガンやスカルパの写真集の表紙を指をくわえ買えずに眺めていました。


齊藤氏の作品は私の知る範囲でも常軌を逸した、こだわり具合で有名で、構造から、素材、ディテールまで徹底した構築をする建築家でもあります。今回の2日間は、齊藤氏が家具で有名なジョージ・ナカシマの元に弟子入りした初期のお話から、キャンデラの超絶構造の話まで聞くこととなりましたが、特に齊藤氏の設計過程や考え方が聞けたのは大変興味深かったですね。正直、現代のスピード感のある建築作りから完全に距離を置いた、完全にじっくりとふんだんな予算と時間をかけ作ってゆくというものでした。つまりは至高・・・建築家にとってそれほどありがたい依頼はありませんが。


札幌におけるどの建築家であっても、そこまでのこだわりを持つことがお客様に許されないでしょう。GLAに関しては急ぎで住みたいというお客様も多く、実際は迎合しないまでもある程度すり合わせて希望に近づけてゆく努力をします。すると当然ながら期限付きの作品作りとなってゆきます。建築は頭の中で、ぐるぐる自由に抽象的に考えてゆきます。そして何案も何案も方向性を自由に考えます。しかし、期限が短いということはその自由度が失われ、比較的短期間でできる限りのアウトプットしてゆくこととなります。それが現実・・・と思い込むしかないものなのです。ゆえに、氏との距離感をさらに感じてしまったわけですが、もしすべてに余裕があるクライアントからの依頼があるとすれば、その至高の作品作りが現実になるのだなとも思うのでした。


齊藤氏がお話しされた中で興味深かったのが、ジョージナカシマの無垢テーブルの話でした。綺麗な板をあえて使わず、普通の家具屋だと扱わないようなに杢目の特徴が強い部分を使うことも多かったようです。当然そういう杢目の強い部分は、木の狂い(乾燥における変形)が大きいので、製材として使えるように乾燥させるのに大変手間が必要となります。そしてさらにその板材からどのようなテーブルとしてのアウトラインを見つけ出すか。そこにも時間をたっぷりとかけていたそうです。オーダーが来てからも一年は待ってもらう。一年間は板を見ながら、どのような姿になってゆくのかをじっくり考える必要があるのだとお話しされたようです。伐採されるまで何百年、何千年と生きてきた樹木としっかりと対話をする必要がある、というのです。


講演でも話されていましたがこの板、個人的にも大変に素晴らしいと思いました。美しすぎる。自然の作るある種強すぎる表情が、円という幾何学でギリギリ縁取ると中和されでゆく。しかもわざとに縁の欠けなどもどれくらい組み込むかを考えることでこの板の個性というか、世界が表出する。

このような作家はこれまでにいなかったのです。。。まさに木の表現のパイオニアでした。


引用元 1993年ジョージナカシマ回顧展図録


しかし、家具デザイナーとして有名なジョージナカシマは実は建築家でもあり、アントニンレーモンドと共同して軽井沢の教会を作るなど、吉村順三を筆頭に錚々たる顔ぶれの一員だったというのです。


因みにアメリカでも受賞歴は素晴らしいのですが、驚きは2006年のサザビーズオークションではなんと約一億円でジョージナカシマのアメリカの杉のテーブルが競り落とされたとのこと。。。恐ろしい価値ですね。。。この画像のテーブルです!


引用元

http://www.tworedroses.com/news/news01292007.php


そんな話をしてもらいながら、齊藤氏の話の中で紹介されていた、木の板を本のように開いて杢目を表現するブックマッチの板。

澪工房さんから貴重な写真いただいたので紹介します。二枚を一対に仕上げてゆくのですが、その板から見出すアウトライン、それに格闘する齊藤裕氏の後ろ姿。

これらは齊藤氏が自ら探して購入した板を、澪工房さんに製作販売を許可した高級な板材達です。

微妙に調整しながら何時間も板の前でアウトラインを描き直していたようです。


大きな珍しい樹種ばかりです。


たかがテーブルなんて言いそうになるけれど、こんなものを見せつけられ、その熱量にまで触れてしまうと、胸が熱くなります。。。こういう本物をいれられる住宅を作りたい。そう思ってしまいますね。

同時に見せていただいた、ローズウッドのあるお客様のために作った椅子も触れるチャンスがあったのですが。。。それも大変にため息の出る美しさでした。


これが、「本物を生み出す、見出す力なのか」・・・と。


日々慌ただしく追われる中で、そのような「ものづくりの本質」に気づかされました。

そうです、僕も量産ではなく寡作でよいからよりこだわりの強い良質なものを作る。そう思って独立したのでした。ちょっと忘れかけていました・・・


そして氏はこうも続けます。


出来合いのテーブルや椅子を後で空間に合わせて買うのではなく、そのように1年間かけて製作したオーダーのテーブルや椅子に合わせて家を設計するのだ、と。


なるほど、まずそのような思考になったことがなかった・・・

しかも庭木も新築の住宅とピタリ合わせなければならないので、はじめから探しておかなくてはならない。日本中から。。。


家の計画が始まると同時に・・・


まったく普段の思考とは逆行でした。


メカラウロコ・・・


して、そのような理解あるお客様がどれくらいいるのか・・・

・・・・・・・

齊藤裕氏はやっぱり、そんな雲の上の建築家でした。


けれど、恐らく究極の本質。

ちょっとショックでしたね。

ナイクさん、すごい話ですよね。そしてそれでも果敢にさまざまな素材に向き合うGLAはどんな風に見えますか?

勿論、構成があって、形や光にこだわった上で空間に命を吹き込む素材を追求してるのですが。齊藤氏に比較すると随分とかるーーーい感じになってしまいましたが。

ちょっと前のミニマル路線の白一色とか、実際いまだにそういう方も多いですよね。

北海道は逆に東京などよりもちょっと進んでいる印象があります。

木造の構造材をそのまま見せたり、木肌を露出させる北海道文化がある一定の割合で存在していますよね。

ナイク:そうですね。私もこの一年GLAで、どんな素材がこの空間に合うのかとか、どんな素材が使えるか、またどんな使い方ができるかとか色々考えるようになりました。よく使う素材でも、素地で使ってみたり。それだけでも、色合いや肌ざわりが新鮮だったりと、新しい発見がありました。構造材をそのまま見せるのも、綺麗ですよね。自然豊かな北海道だからこそ、木の現しが映えますよね。

ゲント:

なんかあっさりとまとめられてしまいましたね、はい。さすがナイクさん。その通りです。

素材・・・素材の力とはかなりなもので、空間の質を良くも悪くもします。それだけ魔力を秘めた暴走しかねないアイテムなのです。

なのでいつも本当にその扱いには慎重に吟味しています。

僕は以前もお話ししたように、ロンシャンの教会によってこの世界に魅了された人間ですから、どうしても、土地に対する佇まい、つまりは敷地と建築の形、光と影、素材と色とが三位一体となっていて感動を呼び起こすものと思っているのです。だからどれ一つが掛けても物足りない。ロンシャンの教会を例にとると、山の上に建つ凛とした佇まい、教会として内外を分けざるを得ないものの、立面が4面共に豊かでもはや彫刻作品のようなものではありますが、外でも礼拝や説教ができるようになっていて、その部分は半外部のような一つの中間領域なのです。そのような造形的にも機能的にも豊かなアウトラインを持ちながら、内部は暗