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S T O R Y - C A S E   0 3
「15F boutique」

​―好きなモノに囲まれて暮らす,​ブティックのような天空の一室―
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古くなった内外素材や設備をただ交換するのではなく,既存の住まいの価値を向上させるための家づくり,それが「リノベーション」です.

“ライフスタイルに合った間取りに作り替えたい”

“既存の住まいを生かすことでコストを抑え,自分らしい家にしたい”

“古い建物ならではの風合いや味わいを残したい”

などの希望を叶える有効な手段として,リノベーションは今や家づくりの魅力的な選択肢のひとつになっています.

今回ご紹介するのは,築15年のマンションの一室をラグジュアリー感あふれる住空間にリノベーションした住まい.

手狭で使いにくかった間取りを見直すとともに,自分好みのテイストに徹底的に空間を作り込んだ,リノベの自由さを実感できる事例です.

取材/Replan

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既存の2つの洋室は,イメージどおりのオープンクローゼットに一新.見ても楽しめる造作収納は,どこに何があるか一目でわかり使い勝手も良い.

悩みは、使い勝手の悪いLDKと収納スペースの狭さ

 

昼は札幌ドームや恵庭岳,夜には街灯りが瞬くパノラミックな眺望に恵まれた住まい.マンションの最上階にあるこのお部屋は15年前の新築時に,ご両親が購入した家で,家業を手伝うご主人も一緒に暮らしてきました.しかし,数年前から一人で暮らすようになると,95㎡のマンションは,広さは十分なはずなのに使い勝手の悪さが気になる住まいとなっていました.

 特に悩ましかったのが,不整形な空間に小さな和室が食い込むような設計の,狭くて居心地の良くないLDK.また収納スペースの狭さも大きな悩みのひとつで「気に入って買った洋服や靴がうまく収納しきれず,家のあちこちにモノがあふれていました.」と旧居の暮らしにくさを語ります.

 住み替えか,リノベーションか.悩めるご主人に旧知の不動産屋さんが紹介したのが,建築家の高野現太さんでした.「会った瞬間,頼りになりそうと直感した.」と笑うご主人は、髙野さんに相談し両親が残した住まいのリノベーションを決断しました.

 イメージしていたのは東京のタワーマンションのように高級感があって,恵まれた眺望を楽しめる住まい.また「お気に入りの洋服や靴をすっきりと収納しつつ,眺める楽しみもある『ブティック』のような空間を.」と高野さんにオーダーしたといいます.

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アクセサリーや時計,小物類を飾りながら収納できるショーケースもオーダーメイド.ガラスケースの下には,バッグや靴の空箱が収納できる.

水回りに隣接する主寝室は壁紙を張り替え,間接照明で落ち着きのある空間に.A.ウォーホルのリトグラフの赤色が,シックな内装に映える.

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キッチンは既存の設備をそのまま採用.カウンターや収納扉の面材のデザインのみ変えることで,LDK全体に統一感を持たせた.

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リビングには,ご夫妻念願のホームシアター設備を実現.好きな映画を見ながらくつろぐのが,新たな日常の楽しみに.長さのあるTV下の棚も造作.アクセントウォールのせっ器質タイルの素材感が,空間にデザイン性と高級感をプラス.

「好き」を叶えるリノベで生まれた新たな生活の楽しみ

 

 「要望を聞いてすぐに,造作家具を生かしたモノトーンの大人っぽい空間が脳裏に浮かんだ」という高野さんは,既存のLDKと2つの洋室の大改造を提案しました.ご主人は「高野さんの案はまさに僕のストライクゾーンで,完成が待ち遠しくなりました.」と話します.

 

 約1ヶ月半の工事を経て住まいは一新.和室を取り払ったリビング・ダイニングには,部屋の形状に合わせてデザイン・造作されたTV台収納やベンチソファ,センターテーブルがレイアウトされ,横長に連なる窓越しの眺望の存在感がぐっと増しました.

 既存の洋室2部屋は,間仕切り壁や建具を大胆に取り払って広いウォークインクローゼットに.壁付けした造作収納に洋服や靴が並ぶ様は圧巻で,まるで本物のブティックのようです.

 リノベーション後,奥さんとワインで晩酌したり,大きなスクリーンで映画を楽しんだりするのがご夫妻の新たな日課になりました.家の中をさらに居心地よくするために,現代アートの収集も始めたといいます.「仕事で忙しい毎日ですが,思い切ってリノベーションしたことで,仕事後の家での夜も,友人たちを招くもてなしの時間も,心から楽しめるようになりました.」と嬉しそうに話すご夫妻.住まいで暮らしが変わる.そんな家づくりの魅力を感じさせるマンションリノベーションです.

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リビングの開口は、恵まれた眺望が際立つよう内窓の周りを黒いフレームで囲った。その下には大人数で座れる壁付けベンチソファを、鋭角のコーナーを上手に生かして造作.

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木毛セメント板と強化ガラスを用いた三角形のセンターテーブルは,高野さんがこの空間に合わせてデザインし製作した.

間接照明が空間に心地よい陰影をもたらす.ジノ・サルファッティのシャンデリアのボリューム感が,ダイニングスペースにちょうどよい.   

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