FUKAZAWA SEIKA TEINE

【深澤青果手稲】※移転の為,閉店

ドン・キホーテ内という混沌の極みにおける出店.周囲は想像にたやすいが,様々な商品が無造作に陳列され,形も色もバラバラで,カラフルなのぼりやら垂れ幕やら,さらには隣では自動車すら何台も陳列されているという,目が回るほどの百花繚乱具合.このカオスの中で「青果店」という「場」をいかに認識してもらえるよう​挿入できるかが勝負所となった.広いフロアの中わかりやすいブースで隔たりを作り,その内部で展開するのが手っ取り早いが,どうもピンと来ない.この迷路のようなフロアを歩いていて,気が付いたら野菜を手に取っているという自然流入に近い導き方はできないかと考えていた.つまり店舗境界を壁で切り取るという安易な手法は避け,フロア全体の中で,人のナチュラルな往来を促すような透過性のある意匠を探った.混沌の中に彩りのある青果がにじみ出すような意匠.具体的に採用した手法として,鈍い銀色に光る軽量鉄骨/スタッドを仕上材として透かしながら全てを構成することとした.その銀色はかすかに周囲を映し込み,馴染みながらも境界を強く示している.境界面としての壁は,緩やかに直線の集合体へ分解され,透け,周囲の猥雑なヴォリュームに応答させている.また天井からはグリッドを分解したようなスタッドが空間を覆い,リジッドな幾何が緩く崩れ,程よい緊張感を生み出している.いずれの操作も空間を層化しながらも境界を曖昧にし,佇まいに深みを持たせることを意図している.カオスの中多くの方が足を止め,異化された場を認識し,その異様な世界へ引き込まれてゆくのを見ると,当初の目的は達成されたのではないかと考えている.青果とモノトーンな工業製品の対比により青果の彩りを強調しつつ,磁場のような人を引き寄せる「状態場」を茫漠と構築できたのではないだろうか.

一級建築士事務所GLA

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