碧空と鈍色の壁

【碧空と鈍色の壁】

 

或る住宅地に22mもの鈍色の長壁を屹立させた.それは通りと住宅とを緩く分かちながら,碧い空をできる限り大きく切り取り,建築空間へと取り込む為であった.鈍色の壁はプライバシーを守るレイヤーとして機能し,住宅は大きなパティオを抱くように構成されている.敷地全体を住宅と捉え,外部の余白と内部の均整を特に意識した.建築は敷地の特徴からできる限り水平ラインを意識した端正で美しい佇まいを目指し,全体構成を伸びやかに組み立てた.LDKは鈍色の壁と平行に配され,大きな矩形平面のパティオに面しているが,それは外にもLDKを配せるかの如く広い.パティオに面した外壁にはランダムなスリット開口が大小穿たれ,内外それぞれの空気感が双方に行ったり来たりするような半透膜的な存在となった.ゆえに室内から通りまでは半透膜の壁,鈍色の壁,RCの壁と3つのレイヤーが複雑に機能し,グラデ―ショナルに街並みへと連なってゆく.二階の開口部からは山の稜線を近くに臨めるように,また,近くの公園にも視線が抜けるようにと閉ざしながらもしっかりと景色をフレーミングするよう仕掛けている.鈍色の長壁を基軸として,ゆったりと敷地全体を建築化し得た稀有な住宅となった.

一級建築士事務所GLA

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