NODE

北欧デザインを愛する夫妻はYチェアに似つかわしい空間を求められた.

深い軒のある玄関アプローチの先には白色塗装された積層合板がランダムに立ち並んでいる.柔らかな印象の光と素材に色,そして透け感.それらがコントロールされて空間をまとめ上げている.左手に林立する合板縦格子に沿って歩みを進めてゆくと階段が現れる.

その上部には空を切り取った大きな窓が穿たれており,軽やかに架かる階段には光が降り注いでいる.この階段を結節点に,2つの天井高を持つリビングとダイニングは貫入しながら連なり,先の白い木立の奥に配されたキッチンへと空間は続いてゆく.

この住宅には三つの庭が用意されている.リビングの庭,リビングとダイニングの庭,和室の庭.それぞれの間に庭が対となって配されたことで,生活空間は落ち着いたスケールを携えながらも伸びやかで開放的な雰囲気を纏っている.また,敷地全体を住宅としてとらえた平面によって,外の庭もまた一つの室のような空間となり,建築の実面積以上に豊かさを獲得した.更にはリビングや2階の窓からは,敷地の高さを利用して向かいの山並みや近景の夜景なども楽しむことができる.

Yチェアが似合う柔和なご家族の住宅らしく,細部まで丁寧な仕事ができたのではないかとしばらくたった現在,振り返っている.