
【OFFICE HRK】
札幌・平岡に計画したオフィスのリノベーションである.既存の空間を一度すべて消して新しいものへ置き換えるのではなく,解体によって現れた構造や下地をできる限りそのまま残し,そこに新たな要素を重ねながら空間を再編成することを考えた.新しいものと古いものを明確に分けるのではなく,それぞれの痕跡や素材が同じ空間の中に共存することで,リノベーションだからこそ生まれる表情を残そうとした.
空間は大きく二つの居場所に分け,オフィスコーナー,こどもたちが遊ぶスペース,用途を限定しないフリースペースを設け,さらにその先の外部テラスへと連続させている.仕事をする,人が集う,こどもが遊ぶ,自由に場所を使うといった異なる活動がひとつの空間の中に共存し,それぞれが緩やかにつながる構成とした.
インテリアにはカラマツの木質と,コーポレートカラーであるペールブルーを基調としている.既存の構造や下地が持つ粗い表情に,カラマツの温かさと軽やかなペールブルーを重ねることで,新旧の素材や色が互いを引き立てる空間を考えた.
打合せのための場所には,大きな空間の中にもうひとつの小さな領域をつくっている.床を一段持ち上げてグレーの仕上げとし,その上にはフリーハンドで描いたような,柔らかな曲線を持つ白い天井を低く浮かべた.壁によって周囲から切り離すのではなく,足元と頭上の二つの面によって緩やかに領域をつくることで,周囲とのつながりを保ちながらも,その下では落ち着いて対話のできる場所を考えた.
天井には,解体によって現れた既存の下地格子を残している.その格子の下に新たな白い天井を浮かべることで,既存の下地もまた空間を構成するひとつの層となった.格子,新たに加えた天井,そのさらに上に残る既存の躯体が重なり,通常であれば隠されるはずの下地が,天井に奥行きと陰影を与えている.
既存の構造や下地,そこに加えられた木や色,床と天井によってつくられる小さな領域,そして外部へと続くテラス.解体によって現れたものを単に残すのではなく,新しい空間をつくる要素として読み替えながら,異なる居場所を緩やかに連ねることで,働くことと遊ぶこと,人が集うことが自然に混ざり合う,余白のあるオフィスを目指した.














