【おうちとおそらとおといれ】

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保育園のトイレのリノベ―ション．設備の更新時期に併せて，子供たちのためのトイレ空間を考える機会を頂いた．元々はほぼ明け透けでオープンな構成だったものを，プライバシー重視にシフトするというお話であった．安全面を考慮に入れ，先生の見守りの観点も加味しながら，視線の調整と子供たちの居心地を検討してゆくこととなった．デザインにおいては，私自身が子供の心境のつもりで，子供の身長になったつもりで空間を考え，どのような空間が子供たちが喜び，安心することができるのかを想像し，愛される居場所を目指して模索を続けた．そして隣接する体育館からもわかりやすいような視認性の高い「大きな家」型のアイコンを目印とすることで，子供たちが集まる仕掛けとした．また，トイレの各ブースには異なる家型の屋根が連なってかかり，それぞれにお気に入りの屋根の下を選べるようにしている．それらは全て多少天井の高さが違い，異なる居心地となっている．また天井を見上げると，やや鈍く反射する大きな雲や星空の様にキラキラとダウンライトが散りばめられ，子供たちを包み込んでいる．このように愛らしくまとわりついてしまうような，トイレという枠を超えた，子供たちの記憶に残るような居場所にできたのではないかと考えている．