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銀 斜 壁 の 境 界
S A P P O R O

・日本建築家協会北海道支部+北海鋼機株式会社「HK DESIGN AWARD 2023」入賞

・北海道建築士事務所協会「きらりと光る北の建築賞 2023」受賞
・Replan vol.136 雑誌掲載/巻頭特集

【銀斜壁の境界】

「眺望だけはこだわりたい.あとは自由に描いてみて下さい.」と建築家冥利に尽きる言葉を頂いた.そこからおよそ3年に渡る建築の旅が始まる.

「眺望」を求め土地探しから,紆余曲折を経てようやく辿り着いた「銀斜壁の境界」.敷地は南側に面するがそのほとんどを意図的に閉ざし,V時に切れたスリットから光を制御している.それにより住宅内部においては,道路向かいの住宅や通りからの視線を遮ることもできる.内部では落ち着いた生活を獲得し,北側に大きく開いたパノラミックな開口から札幌を一望することができる構成とした.また道路面に植樹された木々の壁,スカート状の銀斜壁の下,住宅の内と外がグラデ―ショナルに通りへと接続される.その銀斜壁内の中間領域は大きなテラスとなり,雨の日でも外で佇むことのできる軒下となった.玄関に入ると,谷底のような空間で上部より一筋の光が印象的に射し込む.造形的な小階段の先に透けた階段が架かり,V字に切れた空を望みながら上階へ移る.そこでは天井に架かるリズミカルな構造梁が視線を眼下の景色へと誘う.7年もの間切望した見晴らしである.札幌らしく街も山並みも両方を見渡せ,四季の移ろいを刻々と感受する.一方見返せば,谷間空間で分節されたリビングは,銀斜壁に寄り添う形でこじんまりと包まれた空間となっている.またLとDKをつなぐ書斎は,鉢植えをした植栽の庭に面するなど,一室ながらどこにいても居心地が異なるよう計画されている.縦にも横にも複雑に絡み合う構成と効果的に挿入した銀斜壁によって,住宅の内外に空間が展開し,それぞれが引き合う形で実面積以上の豊かさを内包することとなった.

通りから望むと「銀斜壁」は空色を鈍く映し込み,柔らかな様相を呈している.そして大きく迫り出すことで,内と外を分かつ「境界」に大らかな豊かさを与えることができたように思う.

一級建築士事務所 GLA 

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