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  • 執筆者の写真 GLA

GLAlog-009/プレイスメイキング

更新日:2020年3月1日


みなさま。こんばんは。


肌寒いこの季節、体調を崩されてはいないでしょうか。

私は幸い今のところ、問題なく頑張っております。

ちょっとした鼻かぜくらいはひいています。


先日、TOPICSの方では案内申し上げましたが

このたび様々な方との出会いを頂き、

微力ですが札幌市の仕事を携わらせていただきました。


耳慣れないかもしれませんが

「プレイスメイキング」の実証実験です。


かねてから、創成川の東側を盛り上げるべく

文化的な拠点をつなげてゆくことが議題に上がっておりました。

お住まいの方はわかると思いますが、

創成川から西側の大通すすきのを中心としたエリアは

オフィス、歓楽街となっております。

それに比して、東側は下町感あふれる街並みとなっております。

この対比もたいへん面白いのですが

東側、創成川イーストと近年呼ばれておりますが

小さな商店などがパラパラとあったり、

飲食店なども増えてとてもユニークです。

また北海道神宮頓宮、北海道的な建築の教会などもあります。

札幌ファクトリー向かいの建築設計やデザイン事務所でいっぱいの

築68年の岩佐ビルなども、大変魅力的です。

この岩佐ビル、もともとはラムネ工場で

現在では札幌の景観資産に指定されております。


当然、札幌ファクトリーも屋内外に繰り広げられた

広場にチャレンジした重要な建築物です。

また、その隣には旧永山武四郎邸などの文化遺産もあります。


建築的にすごく目につくものは煉瓦に覆われた

札幌ファクトリー位なものですが

よくよく見るとこのエリア一帯は

一人ひとりの個人商店的なうごめきを感じられる地域なのです。

なにか、そのような下町らしい、力強さを感じてしまいます。

とても、何か懐かしい魅力が漂っているのです。


そのような場所で、「プレイスメイキング」です。

札幌ファクトリーの入り口ともいえるフロンティア館の

細長い敷地の開放と、札幌ビールの前身である開拓使麦酒醸造所の前を

歩行者天国にして、週末を市民の憩いの場にしたいとの話でしたが

先日の震災で、時期のずれ込みや、規模の縮小が重なり

最終的にはフロンティア館の横だけとなりました。


このプレイスメイキングですが

もともとは1960年代にアメリカで提唱された内外問わず

あらゆる住環境において居心地の良い、

生活の質を向上させようといった概念です。


それが、屋外にも積極的に適用され、

居心地の良い場所づくりが始まったのです。


札幌は後発と言わざるを得ないのですが

いよいよ、そのような取り組みを積極的に始めることとなったようなのです。

そこで、今回はただ通り過ぎてしまう細長い公開空地に

どのような仕掛けをしてゆくか。。。

(下手をすればただの駐輪スペースになりかねないスペース

 挙句の果て、入らないようコーンが置かれている始末。。。)

とのお題だったわけであります。



うーん。切ない。。。


当初はイベントに合わせてただ仮設ベンチを置くという検討だったようなのですが

そのデザインに意見できるチャンスをいただけたので

自分なりに考えを膨らませていきました。


却下される前提だとしても、意味のある形、今後につながってゆく形

ワイワイした感じを演出したい。

でも、当然コストは税金からなのでカツカツ。


経済設計で魅力的な仮設ベンチ。


まず、材料は。。。構造用ベニヤ。

座る幅などを考慮すると、シハチ板(通常のサブロク板より一回り大きい)

から2脚つくりたい。


できれば構成をシンプルにして現場組立、解体、収納に場所をとらない。。。


そこで最終的に考えたのがこの案。



何言ってんですか?と突っぱねられる覚悟で臨みましたが

札幌市の職員の方々も快く前向きに受け取っていただけました。

最初は人工芝を乗せて寝転がったりできるようにと思っていましたが

最終的にはもっと簡素にしていくこととなりました。


長方形の端部に60度の角度を与える。

この基本形をどんどんつなげてゆくといろんな形ができる。

落着いた座り心地、会話を生むような座り心地、まちに開いた座り心地。

いろんな居心地を、作り出すことができる。


しかも、端部を60度に切った端材を用いてテーブルまで作れちゃう。

買ったコーヒーやお弁当も置けちゃう。

超経済設計。


これが出来上がったベンチです。







外におけるリビングの可能性。

できるだけ住宅に近い居心地をつくるのに

本棚や、フロアスタンドの照明を置いたりしている事例なんかもある。

その下にはおおきな寝っ転がってもいい

人工芝などを場所いっぱいに敷いたりしている。


北海道は特に、外でそのように過ごせる期間が決まっている。

その期間こそ目いっぱい外のリビングを町のいろんなところに

ばらまいて、せわしく歩いている日常の中でも

ひと呼吸つけるくらいのまちに成長していってほしいと思う。


この思いは、東京をぶらぶらしているときに強く感じた。

本当に休む場所がない。ベンチがほぼない。

お金を払ってスタバで休もうとしても、人だらけでまったくくつろげない。

しかも相席あたりまえ。

まだ札幌はいい方だと思ったものの、根本的に解消すべき課題だと察知した。


以前、僕は札幌市からの公園に関する無作為アンケートが送られてきたので

枠外までびっしりと思っていることを書いたことがある。

送られてきた方はさぞギョッとしたであろう。


街をすべて公園にしてしまえばよい。

建物の間に公園があるという発想ではなく、公園の中に建物があるべきだと。

そして、遊具のデザインやベンチのデザインは

デザインのプロと子供たちで組ませて、

子供たちが考えたアイディアをまちに植えてゆくべきだと。

全員のアイディアを形作ることはもちろん不可能だが

まちづくり、公園づくりに参加できた経験は

間違いなく子供たちの成長、まちの成長ともに促し

市民みんなが愛着を持つことができるまちになるのではないか、と。


住宅の設計を請け負う際も、かならずクライアントにこう伝えている。

街並みに対して、どうやっても外観は露呈してしてしまう、

少なくとも美しいと思えるものを作って、

木も植えて街並みに寄与しなければならないと思う。と。


「建築家としての作品」という範疇ではなくて

社会の粗大ゴミではなく、

周りから愛されるような建築資産を目指さなければならない、

と肝に銘じている。

正直まだまだ完成形は見えないが、

それでも生涯、まだ見ぬ理想の姿を追い求めて走り続けたいと考えている。


そして、

イサムノグチのモエレ沼公園のようなデザインをしたい。。。


。。。。。。


まずは、自宅に砂場でも作ろうか。。。苦笑


そのような想いに賛同される方、ご依頼お待ちしております。

ちなみに敷居はかなり低いのでお気軽にお問い合わせください!!!

なんでもデザインいたします!


かくして、最終日家族の座った写真を撮りに行ったのだが

天気が急に崩れ、雨がパラパラ。

無念。。。



ちかくの美味しいアフォガードを頂いて帰路に就くのでした。



興味のある方は下のサイトもどうぞ!

参考

さっぽろ下町づくり社

http://sapporo-shitamachi.com/category/machi-no-ayumi/

札幌ファクトリーの歴史

https://sapporofactory.jp/beer_museum/

岩佐ビルの歴史

http://www.183.jp/story1.html



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