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  • 執筆者の写真 GLA

GLAlog-017/きらりと光る北の建築賞とそのウラ側

更新日:2020年3月1日

GLAファンの皆様こんばんは。


とうとう2月の更新が1回という不定期ブログに陥ってしまいました。。。

申し訳ありません!

でも頑張って更新いたします!


今回は、前回アナウンスした授賞式のご報告です。


この「森の素形」。


北海道の建築賞もいまや随分と少なくなってしまい

かろうじて住宅規模の作品に与えられるこの「きらりと光る北の建築賞」。



個人的な印象として「北海道建築家」の登竜門的な賞であります。


ということで、なんとか一端の建築家として立つべく

どうにかして受賞することはできないかと考えておりました。


そんな折

昨年、初夏に行われた「若手建築家の模型展」で何名かの先達建築家も見に来られ

その中には「きらり」の審査員も来ていたのでした。


たまたま、例のギャラリー門馬アネックスで

当番を引き受け接客をしておりましたところ、


丁度いらした方が声をかけてくれて、ぜひ推薦させてもらいたいと、

ありがたいお話を頂いたのでした。


また後日、作品選出の間近の頃にも、別の審査員の方からも推薦したいと

お声がかかり、嬉しい思いでした。


そもそも、この「きらりと光る北の建築賞」は

基本的には、10名弱の審査員の方がいろんな情報を聞きつけ

最新の、もしくは埋もれてしまっている

素晴らしい札幌界隈や北海道の建築に賞を勝手に与えるという企画です。


2001年からスタートし、

今回で18回目を数える息の長い賞です。


当然道内で活躍されている方は受賞されておりまして、

多少市民にも開かれた賞であるために、

随分と前から個人的にも興味がありました。


というのも、今年は23作品が選出されたのですが、

一次審査は市民の投票によってが行うというめずらしいスタイル。


ある種、公開コンペなわけです。


レイアウトを構成できない&写真3枚とコンセプト文のみの提出、

という限定的な、それだけに託すしかない

非常に今時ではないスタイル。(笑)



それだけに

選出された「森の素形」は割とマニアックな住宅で

玄人受けはしそうなものの、一般市民にはどう思われるか・・・


非常に心もとない一次審査なわけです。


大通り地下街のオーロラタウンの小鳥の広場の近くオーロラスクエアで

11/2-11/4の3日間展示され、通りすがりの市民の投票がなされます。


さすがにどんなものだろうか?と思い

潜入捜査。


意外と、興味のある方は足を止めて

白い投票用紙と、鉛筆をもって真剣にのぞき込んでいました。


「えー意外!こんなマニアックな世界に興味を示してくれるんだなぁ~」

と思ったものでした。


これも18回にわたって開催をしてきた努力の積み重ねなのかもしれませんね。


そんな思いで、自分の掲示されているところを覗くと

初老のマダムが真剣に見入ってくれています。

さあ、僕のエントリーナンバーをその紙に書け!書くんだ!


と思いながらも

じろじろは見れないので、通り過ぎたわけですが

恐らく一票入れてくれたことと信じております。


面白いのはひとり何作品でも選んでよいということ。

これは結構緩くて、市民も投票しやすいなと思いました。


それにしても、感心を持つ方がいるのは本当に嬉しいものです。


これまで、僕自身は一度も投票をしたこともないし、

展示を見たこともありません(苦笑)


なにせ3日間しかやってないですからね。

告知も当然、大々的ではない。


けれど、通りすがりにこういう仕掛けがあると意外と見るものなのだな

と改めて感じた次第でした。


はじめて選出されたライバル作品を見渡したのですが

うーん、全体的にレベルが高い。


それもそのはずです。


建築家の登竜門とあなどっていましたが

著名な人もちょくちょく出されており、

南幌町のモデルハウスなんかも選出されているのだから

なかなか苦戦を強いられそうです。


モデルハウスはお客さんいないんだからズルいしょ!!

と当然思うわけですが

すぐ反省をします。


かくいう私も、自邸というある種、

金額以外制約のない自由設計なわけですから

ズルいわけです。


まあ、仕方ない。


自邸は建築家としての「声明」なわけですから。

住宅に秘められている自由さと、可能性の一つを提示したいわけです。


それにしても年々レベルが上がっていっている。。。気がする。

札幌を中心とした、意匠に力を入れている設計事務所はかなり多くなった気がします。

それだけに、しのぎを削るわけですが

建築賞が少ない昨今、この賞を目指す人も増えているのかもしれません。


と、そこそこに会場の雰囲気も味わえたので後にします。


紅葉の美しい大通公園で、イサムノグチと対話をします。

子供に愛され、彫刻と建築の「間」を感じさせます。



たまりませんねぇ。


裏にはこんな大きな地形的な滑り台もあります。



布袋もおいしかったですねぇ。

ヴォリュームが大変です。関係ないか。



脱線しましたが、


それから数日。


ケータイにメッセージが入り

「一次審査通過」とのこと。


8作品が通過し、それらは審査員の現地審査が行われるというのです。


おおぉ、意外とちゃんとしているな。


それにしても一安心です。


一番の難関、市民による一次審査。

よくこんな家が通ったものです。


どういう風な印象を持たれたのか、皆様にお聞きしたいと思うところですが

本当に、一票投じていただいた皆様

誠にありがとうございました。


さてそれから2週間ほどでしょうか。


いよいよ、現地審査です。


当日は、審査員が基本全員でノミネートされた

8軒を全て一日で回るというのです。


なかなかハードスケジュールのようです。


ということで


。。。。。。


前日から大掃除です!!!


生活感にまみれたこの「モノタチ」


当然普段から、いろんな方がいらっしゃるのでキレイ目ではありますが


特に隠しきれない子供用品の数々。


ううう。。。気が遠くなります。。。


ちょうど、前職CDOから独立された

超先輩建築家が同時期に建築賞の審査があるとのことで

SNSに様子をUPされておりました。


審査員が来るからと言って外の大きなプールの

枯葉を全部掃除するという恐ろしいコメントを

SNSに載せています。

(後日、当然のように受賞されていましたが。)


やはり、審査ってそこまで気を遣うのか!!


などと脅迫観念に駆られ、

GLAも

内外ともに新築当初に限りなく近づけるのでした。


30m近くあるアプローチもきれいに

整備しなおし、枯葉も払い

久々の建築的緊張感がでてきました。


本当はこの長いアプローチ。

トンネル的な異世界へ導く演出をする予定です。

現在いろんなアイディアを練っています。


脱線しました。

そう。


家の中のどうしようもならないものは

全て車に詰め込んで、蓋をします(笑)


意外と本気でやってしまったため

審査当日は筋肉痛。。。


そんな強迫観念に駆られ頑張ってしまったのですが

多くの審査員を気持ちよくお迎えすることができました。

当然家族には外出してもらいます。


審査員の方たちからは、あのたった3枚の写真では

まったく想像が追い付かないということをおっしゃっておりました。


「そりゃそうでしょ。」


と思いましたが、ぐっとこらえ

「森の素形」の案内をします。


コンセプトや構成、ディテール、マテリアルの扱い方など

様々に質問をされました。


審査員は若い方から50代くらいの方で構成され

それぞれに緊張感を醸し出しながら

見て行かれましたが

その場では多くを語らないという印象でした。


ポツポツと先ほどの質問のやり取りがなされる感じです。


それでも1時間ほどじっくり見て行かれました。


外観も離れたところまで歩いて行っていろんなアングルで見て

楽しんでいらした印象です。


「まずまず、感触はよさそうだな。」


と密かに心の中で思いながら、審査員をお見送りしたのでした。


さっ!

無理やり片づけた「生活感」の現況復帰が待ち構えております。

。。。。。。

また疲れるという一日でした。。。


ところで

これまでどんな方が受賞された来たのでしょうか?


僕もちゃんとは見たことがなかったのですこしご案内します。

敬省略。

やはり、有名どころが揃っておりますね。

もはや巨匠の域の方たちもいます。


ご興味あれば下記ページから受賞作品見れます。

http://kirari.webcrow.jp/


2001年(平成13年)

「西村邸」 北浦 丈士 (キタウラ設計室)

「長島邸」 勇田 常夫 (勇田常夫設計室㈲)

「鶴岡邸」 鶴岡 重彦 (鶴岡設計工房)


2002年(平成14年)

「M氏邸」 川村 弥恵子 (㈲TAO建築設計)

「K氏邸」 小西 彦仁 (㈲ヒココニシ設計事務所)

「千歳・向陽台の家」 遠藤 謙一良 (㈲遠藤建築アトリエ)


2003年(平成15年)

「HOUSE K」 日野 弘史/日野 桂子 (ヒノ デザイン アソシエイツ)

「円山西町の家」 北浦 丈士 (キタウラ設計室)

「O氏邸」 赤坂 真一郎 (㈱アカサカ シンイチロウ アトリエ)


2004年(平成16年)

「藻岩山のある家」 堀尾 浩 (現:堀尾浩建築設計事務所)

「HOUSE Y」 日野 桂子 (ヒノ デザイン アソシエイツ)

「004」 臼井 巧/中野 裕木 (office for design)


2005年(平成17年)

「S氏邸」 佐々木 隆 (㈲アトリエ蔵)

「K氏邸」 宮島  豊 (HU:MU空間計画工房)

「海の崖っぷちのSOHO」 戸島 健二郎 (戸島健二郎建築設計)

「S氏邸」 染谷 哲行 (アルクム計画工房)


2006年(平成18年)

「SUVACO」 三浦 浩 (㈲慧建築デザイン研究所)

「茶廊法邑」 中山 眞琴 (㈲ナカヤマ・アーキテクツ)

「㈲エイペックスモータースVISION」 高澤 直人 (㈲高澤直人建築研究室)


2007年 (平成19年)

「Doremo Le TAO」 潮 宏樹 (bao Hiroki Ushio design)

「ポピー歯科クリニック」 遠藤 謙一良 (㈱遠藤建築アトリエ)

「奥井 理ギャラリー」 濱田 文人 (ゆいでく㈲)


2008年(平成20年)

「雁木のある家」  照井 康穂 (照井康穂建築設計事務所)

「KWH」 山之内 裕一 (山之内建築研究所)

「株式会社六書堂新社屋」 畠中 秀幸 (スタジオ・シンフォニカ)

2009年(平成21年)

「アートホーム千歳」 溝口 裕人 (㈱アートホーム)

「H邸」 中村 好文 (レミングハウス)/新貝 孝之 (新貝建築事務所)

「S氏邸」 濱田 文人 (ゆいでく㈲)


2010年(平成22年) 「Ta氏邸」 小倉 寛征 (Sa design office)

「「雪明かり」の家」 竹井 俊介 (竹井俊介建築計画室)

「ザ・バーン」 山木 優敬 (CSA合同会社)


2011年(平成23年)

「DOMA/yamanote」 田名部 伸紀

「サンカクノイエ」 小坂 裕幸 (小坂裕幸建築設計事務所)

「宮の森の家」 前川 尚治 (㈱コウド一級建築士事務所)


2012年(平成24年)

「House K」 髙木 貴間 (髙木貴間建築設計事務所)

「FUSHIMI TUBE」 戸島 健二郎 (戸島健二郎建築設計)

「SPROUT」 石塚 和彦 (石塚和彦アトリエ)

2013年(平成25年)

「唐松」 永田 大 (永田大建築設計事務所)

「福井の家」 小坂 裕幸 (小坂裕幸建築設計事務所)

「NORTHERN NAUTILUS」 玉上 貴人 (タカトタマガミデザイン)

2014年(平成26年)

「円山西町の家」 弘田 享一 (弘田享一設計事務所)

「厚別の家」 佐野 天彦 (アトリエ サノ)

「おなかのクリニック」 大田 司 (DAIDA DESIGN STUDIO)


2015年(平成27年)

「EDGE COURT」 川村 弥恵子 (㈲TAO建築設計)

「ときわの家」 鈴木 理 (鈴木理アトリエ)

「角の家」 佐野 天彦 (アトリエ サノ)

「Coneco BLD.」 一色玲児 (一色玲児建築設計事務所)


2016年(平成28年)

「北海道・Lifestyle」 小西 永高 (㈱小西建築工房)

「北光の家」 杉山 友和 (アーカイヴ)

「イヌエンジュの家」 大杉 崇 (ATELIER O2)


2017年(平成29年)

「平取の家」 佐野 天彦 (アトリエ サノ)

「BEANS HAPPY」 mangekyo + 一色玲児建築設計事務所

「余白のある家」 堀部 太(堀部太建築設計事務所)


そして!!!


2018年(平成30年)

「Moiwashita Hut」 HOLOMIN/粟野 琢

「北一ミート本社工場」  柏田淳建築設計事務所/柏田 淳


いやー、めでたく受賞できました。

本当に皆様に感謝です。

MooS_T氏、MooS‗S氏のご指導のおかげです。

見てないと思いますがこの場をお借りして語りつくせないお礼を申し上げます。


また自邸に関与してくれた大好きな職人の皆さん、

これまで良質な住宅を手掛けるチャンスをくださったクライアントの皆様。

心から伝えきれない感謝の意を表したいと思います。


そしてますます、わが「建築道」を追求してゆきたいと思います。

そして一人でも多く、自分らしい住宅に出会ってもらいたい。

様式にはまらない、未ジャンルの建築を一緒に目指していただけると

なお楽しい「建築の旅」がそこに待っています。


本当に、「建築」とは楽しいものです。


さて、そんな思いで日々過ごしているわけですが

12月の結果発表の後、先日の2/22に表彰式がありました。


僕も公の賞は建築としては初めてだったので

いささか緊張気味です。

北海道建築士事務所協会の主催の賞なものですから

その定時総会に併せて、というのが例年のようです。


総会が終わるタイミングで夕方から集合します。

同時受賞の粟野氏、柏田氏もそろい踏みです。

粟野氏は象設計集団(↓写真左)、

柏田氏はナカヤマアーキテクツ出身(↓写真右)と

個性豊かです。


控室で挨拶を済ませ、お声がかかるのを待ちます。


しばらくすると、移動して金屏風の前に座らされます。

あとは、なされるがままに・・・

スライドで三者の作品が上映され

審査員長から建築のレビューがあります。

もはや何をおっしゃっていたかは覚えておりませんが

ただ、静かに聞いておりました。


そうこうすると、三名からご挨拶をお願いしますとの

「初耳」な情報が耳に入ります。


ん?


そんなはずはない。

聞いていない。

何も準備していない。

100名ほどの、難しい顔をしたおじ様たちの前で話すことなど。。。


まあ、お茶を濁すかんじでよいか。

と思ったのもつかぬ間


先に粟野氏。

ちゃんとその情報を知っていたのか

文章を考えている。。。


とてもしっかりとしたスピーチをしている。


しかも長い。


こ、これはヤバイ・・・。(汗)


座ってればいいとタカをくくっていた余裕もどこへやら。


完璧までなスピーチが終わりGLAへバトンが回る。


頭はまっしろ。


壇上に移動し、おじ様たちが凝視する中


「えー、本日の挨拶は何も考えておりませんでしたので手短に」と

笑いを誘おうにも、こわもての方たちの張り詰めた緊張感。


仕方なく、話すこともないので

設計趣旨を流れるスライドに合わせてお話するかたちで

お茶を濁してきました。。。


いやー焦りました。

粟野氏の完璧なスピーチは地雷でしたね。。。

なかなかなトラブルです。


それも終わり、記念撮影をし


副賞もいただき(想定外)



懇親会へ。


懇親会は、市長をはじめとし市議なども参列されておりました。

あまりしらない「大人な世界」を堪能すし、

審査員とも意見交換などさせていただき、非常に疲れる一日でした。


家が遠い私は仕事帰りに車で駆け付けたので

ノンアルコールでやり過ごし、二次会にはいかず、即帰宅という

表ヅラは家族愛に満ちたスタイルを貫きました。


副賞もいつも大変お世話になっている妻に奉納し、

「私もちゃんと大掃除した甲斐があるね」

とのありがたいお言葉を頂き、我が家は平和を取り戻したのです。


翌日はお祝いに賞金を握りしめちょっとだけリッチなお昼を。

美味しいという噂の「アルタイル」さんへ。

なかなかなんともいえない、いい外観です。



スープカレーのはずなのにルーカレーになっているというおどろき!

こちらはビーフシチュー。やはり洋食はいいですね。

幸せになります。



いかがでしたでしょうか。

キラリストゲントの受賞の裏側をお見せいたしました。


今年度はまた違う建築賞や

次年度のキラリも応募してゆきたいと思っております。


ぜひ、このブログをご覧でまだ家を建てていないそこのあなた!!!


一緒に妄想を膨らませませんか!?


それではご依頼お待ちしております!!!


また次回をお楽しみに。



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